あをによし奈良の都は咲く花の

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 先日ふと「そうだ、奈良へ行こう」と思い立ち、いきなり奈良へ行ってきました。
 京都は現在進行形、歴史遺産はありつつも経済の中にあり、現在進行形を感じます。つまり都会です。一方の奈良は言葉は悪いですが寂れています。しかしその夢の跡こそがいにしえを感じるわけで、そこが奈良の魅力ではないでしょうか。

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 しかし、約10年ぶりくらいに訪れた奈良公園周辺のテーマパーク化ぶりに、驚きというか多少の失望がありました。まずJR奈良から奈良公園までの道はスッキリ観光お土産道路に。そして東大寺周辺は東大寺ミュージアムなる博物館を中心に、カフェ、今風のお土産屋などが立ち並び、さながら京都清水寺のようでした。南大門の近くの駐車場には大型バスが次々と乗り付け、韓国人・中国人が大挙して押し寄せていて、立派な観光スポットになっていたのです。

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 それにしてもスマホの自撮棒はなんとかならないものでしょうか? 完全に自分が主役。場所は脇役。なんのために旅をしているのかわかりません。そんなに自分中心にしたければ、背景合成したほうがはやいしきれいでしょ、というくらい滑稽な姿でしかありません。

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 東大寺に行くのであれば、ぜひ奈良公園入り口から歩いてほしい。歩いて大仏に辿り着くことに趣があるというか、そんなに簡単に大仏と対面してはおもしろくありません。
 猿沢池を右に眺め、左の石段を上がって興福寺五重塔へと歩く。そこから国立博物館を抜けて、ようやく南大門に辿り着く。20分程度のおすすめコースです。さらにおすすめなのが、東大寺の後は二月堂へ登り、眼下に奈良市内を眺める。そして東大寺の裏側を歩き、正倉院へ。ここは裏参道と言われており、土塀に囲まれた道が続いてとても古風です。さすがに今でも人が少なく、ほっとしました。

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 現場ではお金を稼ぐ必要があることはわかります。復元された遺物、建物も何百年も建てば風合いを増すことでしょう。まったくもっての旅人の意見ですが、寂れゆくまま、朽ちたままの自然の姿こそ奈良らしいのです。

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 そんな意味では、奈良から和歌山方面、つまり明日香へと続く各土地が素朴です。人間が作り、取り残された風景が寂しければ寂しいほど、そんな中に春爛漫を迎え、咲き乱れるさまざまな草木、そして花々の美しさ、力強さがいっそう際立っていました。

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